■介護職の人間関係はなぜ悪いの?
■人間関係が良好な介護施設で働きたい
すべての介護職が、人間関係で悩んだ経験があるのではないでしょうか?
現状退職者の23.9%が、人間関係が理由で退職しています。
そしてこの問題が、介護業界の課題の一つとなっています。
僕は、介護業界に入って10年以上の現役の介護士です。
人間関係の最悪な施設、人手不足で残業ばかりな施設など、さまざまな経験をしてきました。
辞めようと思ったことは、一度や二度ではありません。
この記事では、介護職の人間関係が悪くなる理由だけでなく、人間関係が良好な施設を見つけるポイントまで解説します。
記事を読めば、人間関係の悩みを解消する方法が分かり、ストレスが軽減できるはずです。
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退職者の23.9%が人間関係が理由で退職している
介護職の離職率は16%です。
そして、退職者の23.9%が人間関係が理由で退職しています。
職場の人間関係 | 23.90% |
結婚・妊娠・出産・育児 | 20.50% |
事業所の理念に不満 | 18.60% |
他にいい仕事、職場があった | 17.00% |
収入が少なかった | 16.50% |
こちらは、厚生労働省が実施した介護職の退職理由に関する調査です。
ご覧のように、人間関係が理由で退職している方が、一番多くなっています。
僕の事業所でも「あの人と働くのは無理!」「利用者のわがままに我慢できない!」と言って辞めていった方を見てきました。
そして、人間関係で退職者がでると、仲のいい子も同時に辞めていくこともあり、現場が一気に人欠となって回らなくなるということも起こります。
看護師の人間関係が理由で退職する方はたったの10%
看護師は、介護職との関連も深く、同じ職場で働いている方も多くいます。
その看護師の人間関係が理由で退職する方は、たったの10%です。
介護職が、23.9%の比較するとずいぶん少ない数値です。
仕事内容も違うので、単純比較はできませんが、それでも差は大きいと感じます。
なぜ介護職の人間関係は悪いのか?
ここでは、介護職の人間関係が悪くなる理由を解説していきます。
主にその理由は3つです。
一つずつ解説します。
職員同士の人間関係
一つ目は、職員同士の人間関係です。
介護職は、間口が広くどんな人材でも受け入れています。
そのため、20代~60代までさまざまな年代の方が働いています。
また、外国人受け入れにも積極的で、外国人の介護職も増えてきています。
多様な経験や価値観は、介護現場で活かせる機会が多くあります。
しかし、価値観や考え方の違いは、職員同士のトラブルの原因にもなっています。
自分なりに「利用者のために」と思ってした行動も「それのやり方ではダメ」と注意されることもあります。
仲のいい職員同士で派閥ができて、陰で悪口を言い合うなんてことも。
介護職は、多様な人材がいるため、価値観や考え方の違いが生まれやすく、職員同士のトラブルが起こりやすいのです。
利用者のわがままや暴言、暴力
二つ目は、利用者のわがままや暴言、暴力です。
高齢者は、基本的に良い方ばかりです。
しかし、中にはわがままな方もおられます。
ナースコールの連発やセクハラなど。
認知症の方であれば、暴言や暴力があります。
たたかれた経験のある介護職も多いはずです。
僕もたたかれた経験は、何度もあります。
認知症だと分かっていても、暴言を吐かれればストレスはたまります。
利用者家族とのトラブル
三つ目は、利用者家族とのトラブルです。
「無理難題を押しつけられる」「施設の設備やサービス内容について文句を言われる」なんてことも。
利用者のことを思っての行動でしょうが、度を越した接し方をされると辛いものです。
介護はストレスを溜めやすい職種
介護職は職員同士だけでなく、利用者やその家族、または看護師や医師といったさまざまな方とコミュニケーションをとる必要があります。
そのため、ストレスを溜めやすい職種なのです。
人間関係が良好な介護施設を選ぶための4つのポイント
介護職は、ストレスが多く、人間関係のトラブルが多い職種です。
とはいえ、人間関係が良好で働きやすい介護施設もあります。
ここでは、人間関係が良好な介護施設を選ぶポイントを解説します。
それでは一つずつ解説します。
離職率10%以下の施設を狙え!
介護施設には、離職率20%以上で常に人手不足、残業ばかりのハードな施設もあれば、10%以下で残業もない落ち着いた介護施設もあります
離職率の低い介護施設は、必ず離職率を下げる取り組みをやっています。
育成制度やメンタルケアなど、働きやすい環境を作る取り組みに力を入れています。
そういった働きやすい施設を選ぶようにしましょう。
✓離職率を調べる方法
離職率は、面談や見学の際に、施設担当者に聴いてもいいですし、介護サービス情報公表システムでも確認ができます。
介護サービス情報公表システムは、介護サービスを利用しようとしている方が事業所選択を支援することを目的として作られたシステムです。
運営方針やサービス内容、設備、職員配置など事業所の細かい情報が載ってます。
職員数や退職者数も記載されているので、離職率も調べることが可能です。
施設長の考え方に共感できるか
施設長の考え方や方針に共感できるかは大事なポイントです。
なぜなら、施設長は事業所の顔です。
そのため、施設長によって事業所の雰囲気はガラッと変わります。
稼働率が右肩下がり、職員もどんどん辞めていく施設がありました。
施設長が変わることで、居室は満床になり、職員も落ち着いたケースを僕も経験しました。
職場を選ぶうえで、施設長がどんな人物かはとても重要なポイントです。
相談窓口のある施設を選ぶ
メンタルケア担当などの相談窓口がある施設を選びましょう。
介護職は、仕事や賃金、人間関係などさまざまな悩みや不安があります。
気軽に相談できるメンタルケア担当に話すだけで、気持ちは楽になるものです。
転職エージェントを利用する
人間関係が良好な施設を探すには転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントは、介護施設と密に連携をとっていて、施設の内情も把握しています。
そのため、離職率の低いホワイト施設の情報も多くもっています。
なので、人間関係が良好な施設を探すには、転職エージェントの利用がおすすめです。
✓おすすめの転職エージェントを紹介
これらの3社は評判もよく、求人数も豊富なのであなたの介護転職の強い味方となってくれるはずです。
良好な人間関係を築くための7つの心得
良好な人間関係は、自分の発言や態度で築くことが可能です。
ここでは、良好な人間関係を築くための7つの心得を解説します。
それでは、一つずつ解説します。
挨拶をきっちりする
「おはようございます。」「お疲れ様です。」と明るく挨拶するようにしましょう。
明るく挨拶するだけで、相手に与える印象はグッとよくなります。
また、相手にたいして不信感や警戒感がないことをアピールできます。
僕も、朝はワントーン上げて「おはようございます。」と挨拶するようにしています。
その結果、今の職場ではトラブルなく良好な人間関係が築けています。
ささいなことですが、効果は絶大です。
ぜひ明るく挨拶してみてください。
愚痴を言わない
職場では、愚痴を言わないようにしましょう。
職員はもちろん、利用者や入居者の愚痴も言うべきではないです。
介護施設は、思っている以上に狭いです。
そのため、愚痴を言えば施設内に広がります。
その結果、あなたの立場が悪くなる場合があります。
なので、愚痴は言わないようにすべきです。
介護職はストレスがたまる仕事です。
愚痴を言いたくなることもあるでしょう。
そんな時は、介護施設の外の友達や家族など、信頼できる方に愚痴りましょう。
噂話、愚痴に参加しない
介護施設では、噂話や愚痴がとびかっています。
介護職なら誰しもが経験あることだと思います。
そういった噂話や愚痴には参加しないようにしましょう。
参加してしまうと、くだらない派閥に巻き込まれるだけです。
愛想笑いと聴こえないフリで、華麗にスルーがベターです。
人の考え方や価値観を受け止める
介護業界は、さまざまな年代の方が働いています。
そのため、さまざまな経験や価値観を持った方が働いています。
そういった考え方や価値観を受けとめる姿勢が大事です。
自分の意見や価値観を押しつける行為は、トラブルの元です。
柔軟な姿勢で接することが、人間関係を良好にするためのポイントです。
イライラした状態で話さない
介護職は、ストレスがたまりやすい仕事です。
わがままな利用者、家族のクレームなどで、イライラすることもあります。
イライラしている時は、一呼吸おいて気持ちを落ち着かせてから話すべきです。
イライラした感情は、相手にも伝わります。
その結果、人間関係が悪くなる原因となります。
なので、イライラした状態では、話さないようにしましょう。
仕事を手を抜かない
仕事は手を抜かず、一生懸命にやりましょう。
真面目に仕事に取り組む姿勢は、好印象をあたえます。
そのため、良好な人間関係が築けるようになります。
協力する
介護は、1人で仕事をするわけではなく、チームでケアをします。
そのため、お互いに協力し合うことが大切です。
協力し合うことで、チームの結束力もたかまり、良好な人間関係が築けていきます。
当たり前のように思うことばかりですが、こういった基本的なことをすることが、良好な人間関係を築くにはとても大切です。
介護は学びも多くやりがいのある仕事
介護は、悩みを多くストレスを溜めやすい仕事です。
しかし、介護の現場は辛いことばかりではありません。
学びも多くやりがいのある仕事なんです。
介護職をしていてやりがいを感じたエピソードをいくつか紹介します。
介護福祉士は重労働で大変と思われる方も多いと思いますが、介護の知識・スキルを身につけてケアにあたることで、排泄・食事・就寝等のケアが楽になります。
それに伴い、ご利用者自身の不安を取り除いたり、安全で安心できるケアを提供することで「ありがとう」の言葉が頂けます。
この言葉を頂いたときに介護福祉士になって良かったとやりがいを感じます。
経験5年目
一番のやりがいは、困っている方のお役に立てるということを、わかりやすく実感できるということです。
介護する側とされる側は対等な関係で、してあげているという上から目線になってはいけないですが、やはり援助する側ということで、利用者さんやご家族の方から感謝されることが多いです。
経験5年目
僕も利用者から「ありがとう」と感謝の言葉やご家族から「いつも感謝しています。」といった言葉を日々もらっています。
そういった言葉をもらうと「今日も頑張ろう!」と思えるんです。
そして、人の役に立てているんだと実感できます。
介護職は、ストレスも多く、給料も少ないです。
それでも、人の役に立ててると実感できるやりがいのある仕事です。
まとめ
今回は、介護職の人間関係が悪くなる理由だけでなく、人間関係が良好な施設を見つけるポイントを解説しました。
✓本記事のおさらい
今回は以上になります。